満月の夜 アザラシは

満月の夜 アザラシは岩陰で泣いていた

僕のポケットには しおれた君の手紙
額にもう一つ目が欲しいと書いてある
しごく当たり前のことだよね

道に落ちた葉は 自分の結末を嘆いている
神様は宙返りして 土の中に隠れてしまった
だからお祈りは呪文のようにしか聞こえない

  
母の歌は僕の中で成長し 一人前の顔してる
僕の歌は僕の中で もう消え入りそうになっている


僕がヘタなピアノを弾いて
君が笑い 母も笑う
落ち葉は落ちたとき 初めて落ちたことを知る
だから歩くときは そおっと優しくね
神様は今 地球のどのあたりに隠れてるだろ


満月の夜 アザラシは岩陰で
         夢を見ながら微笑んでいる