2018-01-01から1年間の記事一覧

しかし 私は そこにいた

しかし 私は そこにいた 時が砕け散って 降り注ぐ そこに生命を背負った鳥が 鋭く 一声を放つと 太陽の光の中に 吸い込まれていった土の底から 突き上げるマグマに 呼応する 私の拍動 新しく生まれるものは すべて しずくを纏い 何かしら美しい葉の下で うご…

女郎花

魂の半分以上を天に預けて ふわふわ歩いていたら 小さい石ころにつまずいて 転んだ 目の前には黄色い女郎花 しれっと 笑われたような気がして確かに 何となく 固まりのように 生きているわかっている事を 笑われて 恥の意識が 皮膚の表面で 凝固する膝から滲…

蜜虫

ころころ ころころ われのたもとの中で戯れる 玉虫色の小さき虫 蜜虫ころころ ころころ 虫は恋しい気持ちを 伝える為に耳元まで上りて 羽ばたきする羽音は あのお方の囁く声となり 心に語りかけ あふれる思いに 身をよじらせる虫よ われの恋しい 恋しい思い…