2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

空が溶け出して 海になだれ込んで 私の心の中の甲殻類は 忙しく動き回り チクチクさせる磯の匂いは 私のDNAに流れ込んで 甘酸っぱく 懐かしい想いを 蘇らせる寄せては返す波音を聞いていると 羊膜で包まれて眠っていた頃に 聞いたかもしれないと ふと思う…

葉っぱ

のっぺりとした舗道をゆらゆら歩く うつむいた肩に 彩色された葉がはらはらふりかかる出来過ぎな美しさに苛立って 走り出す 葉っぱを蹴りながら 思いっきり走る 冷たい空気が急に流れ込み 肺が痛い 樹木の匂いで鼻の奥までいっぱいだあー 目の前の人間に思い…

踏み切りに立つと

カンカンカン 踏み切りに立つと くらっと 目の前が白くなり くるくるつま先で回りながら 吸い込まれそうになるあの音は危険だ あの音に胸がざわつくまるで荒れ狂う 海の声を聞くみたいに 不安と 羨望とに 挟み撃ちにあって 鉄砲玉をくらったように ふらふら…

時代

世の中はめまぐるしく 渦巻きながら流れていき テクノロジーのしぶきを浴びせながら 私を残していく少年少女は片時も スマホを手放そうとしない まるでそれが神器であるかのように若者は心のナイフを 光らせる事に余念がない いつか使う時が来るかもしれない…

夢とは ただ空中に おぼろげに浮かぶものじゃないか 輪郭もはっきりと 期間限定じゃ 味も素っ気もあるまいに夕べ 夢の怪物に追いかけられる夢をみた 滑稽なもんだね夢は気持ちのガソリン それがなくちゃ どこにも進めないやね腹をくくって いつか少しだけや…

愛・愛・愛

クモの巣のように張り巡らせた 愛・愛・愛 に 絡み捕られて 身動きもとれず 呼吸もままならない愛・愛・愛 は素晴しいものであるハズが細い細い糸が何本も 寄り合わさって 縄ほどの太さになり 私の四肢をしめあげる ほとばしる甘い感情の対象物は 逃げ切れた…

デリヘル

ドアノブに手をかけ 立ち尽くすいかなる妖怪が毛穴に小虫を飼いながら 待ちかまえているのやら送ってくれた経歴不詳のドライバーは 節目がちに「気をつけて」と言った くぐもった声だった知らない男のへやは未曽有だ 蛇がでてくるか マックロクロスケか 毛ジ…

刻印

瞼を閉じても 刻印のように眼球に刻まれた光景 目玉が疼く確かにあの時に私は私を売ったのだ 自分をまがい物にするために 路地裏の野菜売のおばあさんが 私の顔をじっと見ている欲に目がくらんだ女 己を売った奴 売己奴非難するように道端につばを吐いた そ…

コオロギは嫌いだ

こおろぎは嫌いだ コオロギは嫌い だって共食いするくせに すずしい声で鳴いている牛は嫌いだ ウシは嫌い 悲しそうな顔をしてるのに 肉が旨くてしょうがない子犬は嫌いだ コイヌは嫌い 可愛い顔してるのに 脚を抱えて腰をふる女は嫌いだ オンナは嫌い 男の前…

誕生日

数十年前の今日 母は難産の末 私を産んだ 臍の緒が身体にぐるぐる巻きついてたらしい それが首だったら死んでたと産まれた時から自殺してるなんて あまりにシニカルだその日から始まった 雑多なビーズがみっちり詰まった時間母は多分平穏無事にと願っただろ…

本当と嘘 数珠玉のようにつないで 都合よく生きてきた ところどころ千切れたりして 床に這いつくばって拾い集めて 人に笑われたりもしたバチはあたるもので 嘘でつなぎ止めた愛は 当たり前にあっけなく壊れ 望みとは裏腹に 男を飛び石のように 渡り移ろいだ…

父の光

朝、朦朧としながらも 重い身体を引きずって 出窓の所にお尻をのせる登りかけのお日さまが ガラス越しに 私の半身をじんわりと照らすくたびれた肉体と それに包まれた 干からびた魂が 光を吸い取って ふくらんでゆく薄絹のような 雲の向こうから 届けられた …

ベランダの 茶色く枯れた葉っぱに 不似合いな朝顔の花そうか 嘘っぱちな風に揺れて 騙されて 狂ったんだね颯爽と秋風に乗る その赤花は 考え深そうに押し黙っている人に騙されたと思っちゃいけないよ それぞれの人が引きずっている 色々な革袋 重さも悲しさ…

おなら

坐ったまま 片尻を浮かせて 放屁 ぶひゅ つぶれた音しめしめ 同室の方には 気づかれていないワタシの下半身から 同心円を描くように 床を這っていく 異臭の気体 密やかに ひろがるひろがる3メートル離れたあなたの顔が歪む届いた? 少しすえ始めた私たちの…

ゆりあです!

単なる気まぐれの思いつきですが その時々でひりひり感じたことを これから書き留めていきたいと思います。 ……………………………………………………… 何事にも楽しいのなら 思いっきり床をたたいて笑い 悲しいのなら 打ちひしがれて廃人のように くやしいのなら 我が身を焼き…