鳥
本当と嘘
数珠玉のようにつないで
都合よく生きてきた
ところどころ千切れたりして
床に這いつくばって拾い集めて
人に笑われたりもした
バチはあたるもので
嘘でつなぎ止めた愛は
当たり前にあっけなく壊れ
望みとは裏腹に
男を飛び石のように
渡り移ろいだ
巡り合うのは
インチキな人間ばかり
腹をくくった本当の男性は
私の前には現れないのさ
だって私は嘘まみれ
でも本当は
昔
無口で真面目で不器用で
可愛らしい人がいた
あの人は
あの人は
酔っ払い同士のくだらない喧嘩で
職場の同僚を刺して
鳥かごの鳥になった
鳴かず飛べずのカナリアさ
私は自由になる日を待ってたけど
かごの中で 命撒き散らして
身体を捨てて飛んで行った
あの人らしいけど…
昔の話だけどね
せつない鳥の話さ