愛・愛・愛

クモの巣のように張り巡らせた
愛・愛・愛

絡み捕られて
身動きもとれず
呼吸もままならない

愛・愛・愛
は素晴しいものであるハズが

細い細い糸が何本も
寄り合わさって
縄ほどの太さになり
私の四肢をしめあげる


ほとばしる甘い感情の対象物は
逃げ切れたのか
その辺りでミイラのように乾いているのか
確認する事もできない

もう何も出来ない
このまま死が降りてくるのを待つのみ
それならば笑ってやろう
カサカサに乾いた喉で
息も絶え絶えの
アハハハ 
涙を流しながら
アハハハ 

笑い声から
小さな妖鬼が次々生まれ
ばさばさ ばさばさ
縄をちぎっていく

唐突に
ドスンと身が投げ出された

気がつくと
荒れ果てた自室の床に
茫々と横たわっていた