2012-10-31 海 空が溶け出して 海になだれ込んで 私の心の中の甲殻類は 忙しく動き回り チクチクさせる磯の匂いは 私のDNAに流れ込んで 甘酸っぱく 懐かしい想いを 蘇らせる寄せては返す波音を聞いていると 羊膜で包まれて眠っていた頃に 聞いたかもしれないと ふと思う裸足になって 砂浜を歩いていると 光ったガラスで 必然のように足を傷つけ その尖った痛みは あいまいにぼやけていた自我に 楔となって 刺さった