女郎花

魂の半分以上を天に預けて
ふわふわ歩いていたら
小さい石ころにつまずいて
転んだ
目の前には黄色い女郎花
しれっと 笑われたような気がして

確かに 何となく 固まりのように
生きている

わかっている事を
笑われて
恥の意識が
皮膚の表面で 凝固する

膝から滲んだわずかな血と痛みが
ふやけた感情に
楔を打ち
熱した飴のように 伸びる

アリスが迷い込んだ
あの洞穴に
するりと 飛び込んで
小さな家の窓から にょきにょき
感情の手と足を伸ばせば
女郎花も
感心して
くれるだろうか

狭い身体の中に押し込めた
私の魂が
居心地悪そうに
ギクシャクしている

女郎花は
私の生きる挙動を
じっと見つめている

まるで誰かに報告しなければ
いけないみたいに



iPhoneから送信