しかし 私は そこにいた

しかし
私は そこにいた
時が砕け散って
降り注ぐ
そこに

生命を背負った鳥が
鋭く 一声を放つと
太陽の光の中に
吸い込まれていった

土の底から
突き上げるマグマに
呼応する
私の拍動
新しく生まれるものは
すべて
しずくを纏い
何かしら美しい

葉の下で
うごめく
ひどく原始的な
いも虫でさえ
存在を
わたしの脳裏に
刻み込む

ただ一つ
陰の底で
断末魔の
叫びをあげている
首都東京は
ひっそりと
おきざられている