白蛇

カーテンをシャーと引いて
暗い部屋に閉じこもる
時を感じるものは すべて押しやって
心音と食欲と
排泄する本能だけ生かして  

周りには 食物の残骸が
砕け散った心のように 散らばっている
 
時は流れただろうか?

部屋の隅で 白く光った蛇が
こちらを見ている

「死にたいの」
「いいえ…」
「生きたいの」
「いいえ…」
「白か黒かはっきりせんかい!」

蛇は私に襲いかかって飲み込もうとし
のたうちまわり 死に物狂いで抵抗した

気がつくと 白々と明るい部屋で
裸になった自分が横たわっていた
白い二の腕に 
蛇の噛み跡だけが 残っていた