しわくちゃ

ぴーんと張ったシーツの海
うつ伏せに倒れ込む
寂寥をボールのように
抱え込みながら
ドわーん
波立つ 波立つ
安いベッドがギイギイ鳴く
何処までも沈み込んで

次元を超えて 超えて

僕は
たらいで湯浴みをしている
いやもっとだ
懐かしいおんなの腹に鎮座ましましている

時空間をさらに下がって下がって
ネアンデルタール
猿を通り抜けて
爬虫類をかいくぐって
プランクトンになって泳ぎ回りながら
粒子の一粒にやっとたどり着いて
安らかに眠った

しわくちゃに埋もれて