空に浮かぶ羊

ブルーグレイの空に山影が浮かび上がった
名の知らぬ鳥がカウカウと群れ飛ぶ

あのよとこのよ
このよとあのよ

稜線を縫うように
ハンドルを握る私は
次元を踏み外したかと
脇汗を感じながら
水を飲む

車はラベンダーに
包まれ
夢幻の中を突き進む

口にクロレッツを放り込み
少し現実味を帯びた道
空に浮かぶ羊を想い
夢の人の住まう里へと
吸い込まれるように走る

あのよからこのよへ
たどたどしく
なぞりながら