毒なす

女は
見定めた男に種を蒔き
瞬く間に成長させ
養分を吸い上げて
黄色の実をたわわに育て上げる

毒なすの雄叫びが夜を裂く

平凡な顔に月並みな身体
今一つなファッション
彼女の桜色の唇から飛び出す
とろとろが男心を侵食する

毒なすの蔓は紫に光って
くるくると伸び
男の首を
少しずつ締め上げていく

干からびそうなおとこたちは 
結婚という神聖な花を
胸に咲かせ
されるがままに
でくの坊の
ように


女の目に翳りはなく
笑いは少女のように屈託がない


養分になった
男たちの
亡霊を手で払いながら
今日も
鼻歌混じりに
ピンクのパソコンで
獲物さがし