青白いさやが茎から
すうっとさがって
ゆれている 


さやの中の 蠢きが
世を嘆いた私の
肩を抱いて

(芯はうずうずと
振動し始めた)


さやは地面にあっけなく落ちて
ぱかりと割れ
とき色の虫が這い出した


虫はいろいろに染まりながら
つたつたと這い
啓示を受けた私は
もつれながら ついて行く

(たぎった芯は
静かに翳って)


鬱金色に輝く
繭の中へ

夢と希望の内実世界へと
導かれていく

その時
ひそかな内部抗争は
始まる