2013-12-15 繭 青白いさやが茎から すうっとさがって ゆれている さやの中の 蠢きが 世を嘆いた私の 肩を抱いて(芯はうずうずと 振動し始めた) さやは地面にあっけなく落ちて ぱかりと割れ とき色の虫が這い出した 虫はいろいろに染まりながら つたつたと這い 啓示を受けた私は もつれながら ついて行く(たぎった芯は 静かに翳って) 鬱金色に輝く 繭の中へ夢と希望の内実世界へと 導かれていくその時 ひそかな内部抗争は 始まる