気がつくと
渦は私に覆いかぶさり
訳のわからぬまま
地底へと吸い込まれる
胸ぐらをつかまれ
この野郎 この野郎と
ビンタを喰らいながら

私は
黄土色の吐瀉物を
チルチルミチルのごとく撒きながら
ぎゅるぎゅる回転する

やがて地底の壁も難なく突き破り
やっといつもとは異なる旅であると気づく

地へ行くのだ

迎えが来たのか
渦の中で
私は今までを考える

煮えたぎった怒りを
醜くさと同じくらいの激しい愛情を
ふんわり空気に留まる愛情を
血流に起因する逃げられない靄を

我身に起こった様々なドラマを
冷静に
直視していた

もう充分だと思ったが

決して笑ってはいなかった

笑うことなど
できなかった



P.S. ピナバウシュのチケット、オークションで落と
   そうと思ったけど、
   値が上がりすぎて、買えなかった。。。
   行く機会は私の人生に、また訪れるだろうか?