suicide

わたしは
あふれ出るちぐはぐな感情に
羽交い締めにされ立ち尽くしていた

涙は淵まで来ていたが
ぎりぎりでとどまっていた

春の底冷えのする温度の中
生きていないかのように
存在した

黒いストッキングを履いた足は
震えていたかもしれない

かつて
わたしがとても愛した男は
死んだ…

死因はどうでもよかった

ほっとした

これから
わたしは
少しづつ
誰にも気づかれずに
そっと
壊れていくだろう

とてもゆっくり
心をほどきながら