光る森2




昔 ある森の一番奥の
この世で一番静かな湖には
大きな白蛇が住んでいた

迷い込んだ村人が
善い人ならば
願い事を叶えてくれ

迷い込んだ村人が
悪い人ならば
湖に引きずり込んで亡き者にした

ある時
エセ善人の村人が
湖を訪れ
金欲しさに
白蛇が現れるのを待った

やがて白蛇は姿を表し
目の前の者の本性に気づいた

エセ善人は
家の者が病で苦しんでいるから
お金が必要だと訴え
白蛇は
少し待つように言った

やがて水の中から
虹色に輝く宝石をくわえて現れ
それをお金に換えるように言った

エセ善人は宝石を引ったくるように奪い
村に向かって走った

いくら走っても走っても村へは着かず
宝石を握った手から
みるみる焼け焦げて
もがき苦しみながら灰になった


やがてその灰のあたりに
この世のものとは思はれぬ
虹色に照り映える百合の花が咲いて
森はまばゆく光り輝くようになった