2012-11-25 蝶の羽 あの子はちぎった蝶の羽を 私になげつけた幼稚園のれんげ草は それを目撃し うなだれた花は 確かに見ていた 刺すような視線で小鳥が 蝶の胴体をくわえて 飛び去った チュン チュンと鳴きながらあの子は汚れた指で 花を詰み 先生に差し出した私は 目をつぶり 絶叫した そうしなければ 生きられなかった