伝説はいらないんだ -勘三郎さんを懐ってー

同年代の
息せききってひたすらに
疾走する
ランナーが
向こう側へ行つてしまった

創造者であり表現者だった
開拓者だった
戦士だった
汗の綺麗な人だった
伝説になんてなってほしくなかった
流れ落ちる
血の温かさを感じる生き様を
何時も「どうだ!」と
見せつけて
ほしかった



急がなければ…
安穏としている場合じゃない
もう最後の時間を
刻み始めたかもしれない

暗雲のような
不安が
身体から
はみ出す