再生

都会の地下通路に
膝を抱えて さなぎのように
眠る

雑踏はまるで異空間にいるように
気配さえも感じられない

放っておいて
このまま干からびさせてくれ

うとうとしていると
誰かが僕の身体にドスンと
片目で見ると
ひよこ売りのおばあさんが
すっころんでいる

二人の周りには
箱からこぼれたひよこが
ピヨピヨ ピヨピヨ
節々が固まった身体を
ほぐしながら
黄色い命を追いかける
ピヨピヨ ピヨピヨ

体に血が通い
汗がにじみはじめる
最後の一匹を
おばあさんの手に渡したら
皺だらけの顔をくちゃくちゃにして
真っ赤な心臓のような
りんごをくれた

ガブッと
一口
汁が喉を滴り落ちる