のっぺらぼうの神様

金属質の子の泣き声が
冷ややかな夜の闇を切り裂く

私のはんぺんの心が縮こまる
耳の筋肉がぴくっと反応する

顔のない子の身を案じる

自分を守る術や力を持たない
赤むけしたこうさぎ
守って下さいと
どこにいるかわからない神様に
お祈りしたりする

こうさぎ
自分の歌を歌わなければならない
こうさぎ
いろいろな野を跳ね回らなければ
こうさぎ
巣穴の中で未来について考え込まなければ
こうさぎ
三日月に腰かけて
夢をみなければならない

人間のあまりに酷い有り様に
のっぺらぼうの神様よ
どうか最後に『べぇー』をしないで