脱ぐ

今こそその時
長い間お世話になった
この殻を脱ぐ時

随分ほころびた
1つ1つの傷みに
思いでと匂いが染み着いている

飛び跳ねる楽しい事を
打ちひしがれる悲しい思いを
この表皮ですり抜けてきた

夜明けと共に
一つの私を
捨てよう

できたての皮は
まだ未熟児のように
弱々しくて

新しい風が
刺すように
痛い

その痛みが
私を
生きのびさせる