赤い鳥

クチバシの鋭い赤い鳥は
急降下して
僕の瞳をついた

いきなり 闇の緞帳が下りて
固く閉じていた心の殻は
がしゃがしゃとと壊れ去った

人の手を借りなければ
一歩も歩けず
それまではねつけていた
同級生の手を
必死で握って
汗ばみながら
少しづつ歩いた

不自由だったが
人の肌の温かさが
心にまで伝わって
怖くはなかった